TOP>WORKS>「女子バレー部の後輩たちに…」5話

「お、おはようございます!」


僕はきちっと頭を下げて元気よく挨拶する。

相手は女子バレーボール部の後輩たちだ。


彼女たちは僕に冷たい視線を向ける。

そして挨拶も返さず、すたすたと去って行く。


昨日までは、僕が彼女たちから挨拶をされる立場だった。

しかし昨日の放課後の一件で、立場が逆転。

もはや女子バレーボール部の1、2年生は誰も僕を先輩とは思っていなかった。


先輩風を吹かせて去って行く後輩。

僕はその後ろ姿をうっとりとした目で見つめる。

「後輩相手に元気よく挨拶をする」

たったそれだけのことで僕の股間はギンギンだった。


こうなったのも、全ては美香ちゃんのお陰だ。

美香ちゃん……

生意気な後輩……

ドMな僕としては、感謝してもしきれないほどだ。


と、向こうからくだんの少女、美香ちゃんが歩いてきた。


「美香先輩、おはようございます!」


「おはよう、あゆむ。

 今日もこっちの練習来るんでしょ?」


「はい! 参加させて頂きます!」


「そっ。

 じゃあ練習前にウチらのシューズ磨いといて」


「は、はい!」





放課後。

僕はダッシュで女子バレーボール部の部室に向かった。

理由はもちろん、部員のシューズを磨くためだ。


当然、1年生部員のシューズも磨く。

ついこの間入学した1年生のシューズ。

それは磨くまでもなくピカピカだった。

僕はその真新しいシューズに、改めて自分の立場の低さを思い知らされる。


「おつかれさまでーす……って、なんだ、あゆむじゃん。

 こんなヘタレに挨拶しちゃったよ……ほんっと最悪!」


「お、おつかれさまです!」


最初に来たのは1年生部員たち。

女子バレーボール部は、厳しい縦割り集団だ。

そのため、後輩たちは先輩よりも早く部室に来る必要があるのだ。


ぞろぞろと集まりだす1年生部員たち。

当然、僕は彼女たち一人一人に挨拶をする。


「ねぇ、あゆむ。

 シューズ磨いてたんでしょ。

 ちょうどよかった、私の上履きも磨いてよ」


「は、はい! 失礼します!」


僕は仁王立ちする1年生部員の足下に跪いた。


「あはは! うけるー!

 おまえどんだけヘタレなんだよー!」


「そりゃそうっしょ!

 だってコイツよりウチらの方が『先輩』なんだからさ!」


僕は1年女子にすら罵声を浴びせられる。

堕ちるところまで堕ちてしまった。


「うわ、ちょっと!

 コイツ、勃起してるよ!」


「ほんとだー! きもーい!」


「なんでー! マジありえなーい!」


僕はあわてて股間を隠す。

しかしもう手遅れだった。


「きもいんだよ! この変態!」


――――ドスッ!!


さっきまで僕に上履きを磨かせていた女子生徒。

その彼女が僕の顔を思い切り蹴り飛ばした。


「死ね! このヘタレ野郎!」


「ほんと最低! 人間の屑!」


わらわらと集まりだす1年生部員たち。

彼女たちはよってたかって僕に殴る蹴るの暴行を加えた。


1年生とはいえ、彼女たちは普段から部活動で鍛えている。

少女のものとは思えない強烈な打撃が僕を襲った。


「ご、ごめんなさい! ごめんなさい!」


「あはははは! しね! この変態!」


僕はされるがままに暴行を受けた。

決して反抗はしない。

僕は年下の少女たちに殴られながら、股間をバキバキに勃起させていた。




ひとしきり続いた殴る蹴るのお仕置き。

体のあちこちが痛い。

僕はもう虫の息だ。


「おい、土下座しろよ、土下座」


暴力の嵐は収まった。

しかし、僕に対する制裁は終わらない。


「『先輩方に嫌な思いさせて、申し訳ございませんでした』って。

 土下座して謝れよ!」


「うわ、今コイツのちんこピクンってした!

 土下座させられるのが嬉しいのかよ!(笑)」


「マジきもーい!

 ほんとにへんたーい!」


腕を組み、僕を見下ろす少女たち。

僕は彼女たちの言いなりになる。

きちんと正座し、額を床に付ける。

そして謝罪の言葉を言おうとしたときだった……


「ちょっとあなたたち! なにやってるの!?」


その一言に場が凍り付いた。

声の主は部室の入り口に立っていた。

キャプテン、沙織だった。


「さ、沙織先輩!

 違うんです!」


「何が違うって言うの!

 貴女たち! 先輩にそんなことさせてどういうつもりなの!?」


黙り込む1年生部員たち。


「悪ふざけにも程があるよ!

 貴女たちなんか、もうこの部に出てこないで!」


まずい。

このままでは、下手すると彼女たちが退部に……


「さ、沙織! 違うんだ!

 これは……僕の意思なんだ!」


「はぁ!? なに言ってるのあゆむ君!?」


「ぼ、僕はこの子たちの後輩になりたいんだ!

 ほ、ほら、だって僕の方が女子バレーボール部員としては日が浅いじゃないか!

 だから、僕の方が後輩で……」


「意味わかんない……」


僕の突然の弁明。

沙織は明らかに困惑している。

そして1年生部員たちはここぞとばかりに僕に便乗した。


「そうなんです! この人が私たちの後輩になりたいって!」


「そ、そうですそうです! だから指導をしてあげてたんです!」


「だからこの子たち……いや、この先輩方は、悪くないんだ……」


「あゆむ君……なに言ってるの……」


「頼む、沙織……いや、沙織先輩!

 僕を女子バレーボール部の新入部員として扱ってください!」


沈黙。

さっきまで僕に便乗した1年生部員たち。

その彼女たちですら呆気にとられている。

当然だろう。

まさか僕がクラスメイトの沙織にまで頭を下げるなんて。

誰もそんなことは予想していなかったはず。

僕は彼女たちが思っている以上に変態なのだ。

女の子に虐げられたいドMのマゾ豚なのだ。


「……勝手にすれば」


沙織の刺す様な一言。

部室内に漂う気まずい空気。

沙織はスタスタと自分の部活道具を回収する。

そしてそれ以上何も言わず、体育館へと向かっていった。


「……っぷ、あははははは!」


1年生部員たちの笑い声。

緊張が一気に解ける。


「マジきもーい!

 おまえ、沙織先輩と仲良かったんでしょー?」


「自分から沙織先輩にお願いするとか、どんだけだよー!」


1年生たちは再び僕に罵声を浴びせかける。


「うちらを庇ったってことは、これからも虐めてほしいってことでしょ?」


「うっわー、超勃起してるし(笑)

 お望み通り、これからもいっぱい虐めてやるよ!」




彼女たちは退部させられていただろう。

そして僕に対する虐めも終わったはず。


しかし僕はあえて彼女たちを助けた。

僕は彼女たちに免罪符を与えた。

虐めは続く。

虐めは終わるどころか、公認されてしまった。

これからむしろ、もっと酷い虐めが始まるかもしれない。


「ねぇねぇさっそく美香先輩たちにも報告しようよ!」


「いいねー! さんせー!」





そしてその日の練習が始まった。

先ほどの一件は、すでに全部員の知るところとなっていた。


「おい、あゆむ! とろいよ!

 さっさとボール拾ってきなよ!」


「はぁはぁ……は、はい! すいません、美香先輩!」


今日も僕は美香ちゃんの球拾い。


「あゆむー、あんまり美香先輩に迷惑かけるなよー?」


「は、はい……気をつけます……」


1年生部員が僕に嫌みを言う。

彼女は先ほど僕に暴力を振るった1年生のうちの1人だ。

沙織はそんなやり取りを見ても、もうなにも言わない。


僕の立場はキャプテンである沙織の公認となった。

キャプテン公認の意味は大きい。

1、2年生部員たちは堂々と僕を虐げるようになった。

僕は勃起が納まらなかった。


僕は年下の女子部員に命令されても全く反抗しない。

ただへらへら笑って彼女たちに大人しく従う。

沙織はそんな情けない僕を冷たい目で見ていた。


沙織だけではない。

他の3年生部員たちも僕を無視した。

今まで、彼女たちとは普通に同級生として接してきた。

その同級生の僕が、年下の女子に虐げられて喜んでいるのだ。

3年生部員たちは明らかに僕を軽蔑していた。

こんな気持ち悪くて情けない男とは口もききたくないのだろう。




そして1時間が経過。

一度全員が集合し、沙織が指示を出す。


「それじゃあ3年生はコート練習に移ります。

 2年生は球拾いをお願い。

 後半は2年生もコートに入ってもらうから、そのつもりでね」


「「はい!」」


「1年生はロビーで練習ね」


「「はい!」」


「…………で」


沙織が僕の方を向く。

沙織の冷たい視線。

僕のペニスがビクンと反応する。


「…………あゆむ君はどうする?」


本来であれば、僕は今から男子の練習に向かう。

しかし……


「せ、先輩方のお手伝いをさせてください……」


「………はぁ? まさか残るつもりなの?」


「え、えっと……僕もロビーで……

 その……先輩方の……球拾いを……」


沙織が大きくため息をつく。

もう軽蔑を隠そうともしない。


「はいはい……そうでした……

 あゆむ君にとっては、2歳年下の1年生も『先輩』でしたね。

 じゃあ、もう、お好きにどうぞ。

 あゆむ君のだーい好きな、球拾いでもしてれば?

 1年生に馬鹿にされながら、『ごめんなさいせんぱーい』って。

 年下相手にずっとぺこぺこしててください」


1、2年生部員がそれを聞いてクスクス笑う。

一方、僕は沙織にネチネチ罵られてフル勃起状態だった。


「それじゃ、10分休憩。

 その後、各々練習に入ること、解散!」


散っていく部員たち。


「あゆむ、荷物よろしくねー。

 先にロビー行ってるから」


「あ、私もー!」


「うちのもよろしくー!」


手ぶらでロビーに向かう1年生部員たち。

結局、僕は1年生全員の荷物を頼まれた。


「あーあ、大変だね、あゆむ」


「美香先輩……」


美香先輩に声をかけられた。

なんだろう……

今、僕の胸がときめいたような……


「10分休憩のうちに運ばないとね。

 遅れたら1年生に叱られちゃうよ?」


「うっ…………」


この間まで中学生だった1年生たち。

まだ幼い彼女たちが、3年生の僕にお説教を……

美香ちゃんが僕の耳元に顔を寄せる。


「…………ねぇ、あんた、マゾでしょ」


僕のペニスが一気に固くなる。


「クスッ…………なんで勃起してんの…………

 やっぱりマゾなんだ……」


美香ちゃんに僕の性癖を見透かされてしまった。

興奮で我慢汁が止まらない。


「………ほんとは1年生に叱られたいんでしょ?

 ……わざと遅れて、お仕置きしてもらったら?」


「あ……あぁ……!

 美香先輩…………!」


「じゃ、がんばってね!」


――――ポン!


と、美香ちゃんが僕の頭を軽く叩いた。

美香ちゃんは骨抜き状態の僕を放置して休憩に行く。

僕は美香ちゃんの後ろ姿を恍惚の表情で見送る。


胸のドキドキが止まらない。

この気持ち……なんだろう……

もしかして……僕……美香ちゃんのことが……





と、体育館の時計が目に入った。


「…………!? あと5分しかない!?」


なんてこった!

僕は体育館の隅にダッシュで向かう。

そして1年生の荷物を持てるだけ持ってロビーへ……

当然、一度で全ては運びきれない。

これら全てを、あと5分でロビーに運ばなくてはならない。



女子部員たちは休憩している。

その横で僕は下級生の荷物を持って駆け回る。

僕は汗だくになりながら、体育館とロビーを何往復もしたのだった。





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