TOP>WORKS>「女子テニス部の1年生」1話

僕は高校でテニス部に所属している。

我が校のテニス部は部員数が少ない。

そのため練習は男女混合で行われている。

人数が少ないせいか、練習の質はかなり低かった。

だらだら時間を過ごすだけの練習。

運動音痴の僕には、なんとも居心地の良い部だった。


そんなテニス部の学年ごとの人数構成比。

それは極端な砂時計型。

僕の学年、2年生は1人のみ。

つまり2年生部員は僕だけだった。


3年生が引退した。

そうなると必然的に次期キャプテンが決まる。

2年生は僕しかいないのだ。

当然の成り行きとして、僕がキャプテンを務めることになった。

これから僕がひとりで1年生部員を引っ張っていかないといけない。

がんばらなくては。


僕のモチベーションは高かった。

なぜなら今年の1年生部員……

それがなんと全員女の子!

僕以外、全員女の子!

つまり、テニス部が僕のハーレムに!

ふふふ……


なんて浮かれてた時期が僕にもあった。

僕を待ち受けていたのは悪夢の様な日々だった。





「せんぱーい、お仕置きの時間ですよー」


後輩の女の子が椅子に座っている。

僕はその膝の上へ腹ばいになる。

女の子が僕のズボンとパンツを脱がした。

そして僕のお尻が丸出しになる。

僕は屈辱を噛み殺す。

どうしてこんなことになってしまったのか。



今年入部してきた1年生。

彼女たちが入部してから3年生が引退するまでの期間。

その約2ヶ月の間、彼女たちはずっと球拾いをしていた。

だから僕は彼女たちの実力を知らなかった。


1年生部員の実力。

彼女たちは皆、中学時代からずっとテニスをしてきた子たちだった。

3年生が引退して最初の練習。

僕はコートでラケットを振る彼女たちを見て驚愕した。


全員、僕よりテニスが上手かった。

圧倒的に上手かった。


そのせいで僕は部内の主導権を彼女たちに握られてしまったのだ。



「ミス1回につき、1叩きって約束でしたよねー?

 先輩は今日、自分が何回ミスしたかわかってますか?」


「57回です……」


「はい、そうですね。

 それじゃ、57回叩いてあげますから、覚悟してくださいね」


そして始まるお尻叩き。

僕は今、後輩の女の子にお尻を叩かれているのだ。

容赦ないお仕置き。

僕は10回も叩かれないうちに情けなく泣き出してしまう。


「ごめんなさいぃ! い、いたいっ!

 うえぇん! すいませんでしたぁぁ!」


僕がどんなに泣き喚いても、お仕置きが途中でやめられることはない。


「もうー、暴れるなーっ!

 大人しくしてないと、また最初からやり直しにするよ!?」


そう言われて、僕はしゅんと大人しくなる。

そしてまたお仕置きが再開される。


「あううううっ! あぁあ!

 いたいよおおおおおおぉ! うわあああああああん!」


後輩の女の子にお尻を叩かれる上級生。

パシーンという強烈な破裂音と、僕の泣き喚く声とが、放課後の学校に響いた。






宣言どおり57回叩かれた。

僕のお尻は、熱した鉄を押し付けられたみたいに真っ赤になっていた。


「いつまでぐったりしてるんですか?

 ほら、早くいつもみたいに謝ってください。」


「ぐすっ……、はい……」


未だにメソメソと泣いている僕にも、女の子は一貫して厳しい態度をとる。

僕は今、この子に躾られてるんだ、と実感する。

涙が止まらない。

僕はよろよろと立ち上がった。

僕はさっきまで僕のお尻を叩いていた女の子の前に、土下座の体勢でうずくまった。


「ぐすっ……、美姫先輩、今日もたくさんミスしてすいませんでした……」


当然、僕の方が先輩である。

しかし、1年生たちはテニスが下手な僕に先輩面されるのを嫌がった。

そのため、僕は彼女たちの事を「先輩」と呼ぶよう強要されている。


「はーい、じゃぁ次はお礼をしてください。

 ほら、早く!」


美姫ちゃんは、僕の顔の前に右手を差し出した。


「こんなダメなキャプテンの僕にお仕置きしていただいて……、ありがとうございました……」


僕は後輩の女の子の右手のひらを、ペロペロと舐める。

さっきまで僕のお尻を叩いていた手だ。

後輩の女の子の機嫌を損ねないように、僕はうやうやしくその手のひらに舌を這わせる。


練習後のお仕置きだったため、彼女の手は汗でじっとりと湿っていた。

ツンとした酸味が舌を刺す。

女の子の小さな手。

その手に奉仕することで感謝を示さなけらばならない屈辱。



その後、僕はバックの中からおしぼりを取り出した。

僕はそのおしぼりを使って、後輩の女の子の手のひらを丁寧に拭く。


「ねぇ先輩。

 いくら先輩の方がテニスが下手だからって、キャプテンが後輩の女の子に毎日お仕置きされて情けないですよねー?

 もういっそ一度退部してマネージャーとして入部しなおしたらどうですか?

 そのほうが先輩にはお似合いですよね?

 ……でも先輩ってトロいから、マネージャーになっても役立たずでしょうね。

 仮にもしそうなっても、もちろん何か失敗するたびにお仕置きしてあげますから。

 私たちが先輩を一流のマネージャーになれるようにしっかり躾けてあげますよ。

 これっていい考えだと思いませんか?」


後輩の女の子にそんなことを言われても、僕は何も言い返せなかった。


「ぐすっ……、ぐすん……ひっく……」


「あーあ、なんで泣くんですか?

 もしかして、くやしかったんですか?」


僕は弱々しく首を横に振った。


「そうですよね、だって私、当然のことを言っただけですもんね。

 じゃぁなんで泣くんですか?

 ねぇ、ほんとはくやしいんですよね?」


美姫ちゃんはだんだんイライラしてきているようだった。


「ひっく……、う……うぅっ……ちがいます……

 ごめんなさい……、ごめんなさい……」


本当はすごく悔しかった。

しかし反抗したらまたお仕置きされるような気がした。

だから僕は本当のことが言えなかった。


「はぁ、ほんっと先輩ってだめですよね!

 いっつもウジウジめそめそ泣いてばっかり!

 私の弟の方が、まだ小学生ですけど、先輩よりだいぶしっかりしてますよ?」


美姫ちゃんは大きくため息をついた。

そして自分のテニスバックを背負って部室を後にした。

僕はその場にへたり込んだまま、しばらく泣き続けた。



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